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東京高等裁判所 昭和32年(行ナ)31号 判決

原告 岡薫

被告 特許庁長官

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一請求の趣旨、原因

原告は、特許庁が昭和二十九年抗告審判第八五七号事件について昭和三十二年六月十七日にした審決を取り消す、訴訟費用は被告の負担とする、との判決を求め、請求の原因として、次のとおり述べた。

一、原告は、昭和二十八年九月十二日、特許庁に対して、「ネジ溝」なる考案につき実用新案登録出願をし、同年実用新案登録願第二七、二六八号として係属したが、昭和二十九年三年二十日に拒絶査定を受けたので、同年四月二十八日抗告審判を請求し、同年抗告審判第八五七号事件として係属したが、昭和三十二年六月十七日に至つて、右請求は成り立たない、旨の審決がなされ、その審決書謄本が同月二十七日原告に送達された。

二、右審決の要旨は次の諸点に帰する。

(一)  本件考案は、出願前に既存のねじ頭凹部と較べて特別の構造を意味するものではない。

(二)  特許第一一、四六六号の大十字形ねじ頭凹部の形状と同一であり、作用効果も同一である。

(三)  特許第一一、四六六号の大十字形ねじ溝のものでも一字型ドライバー及び十字型ドライバーを使用できる。

(四)  ねじ頭凹部(ねじ溝)として出願書類に「くぼみ」(窪みの小十字)を意味する記載がない。

したがつて、右「くぼみ」を要旨の一部として包含する訂正書は採用しない。

(五)  「窪みの小十字」の有無は本願要旨に関係がない。

三、しかし、右審決は、次の理由により、真理に反しており、違法である。

(一)  本件審決送達に至る間に、何らの拒絶理由通知或いは出願者たる原告の意見聴取等を行わず、実用新案登録出願に関する抗告審判の慣例・判例に反している。

(二)  本件出願前に、いわゆるフイリツプスねじとしては、「窪みのない短い平溝を小十字型に直交させたもの」と「中央ほど深く、窪みを成しつゝ、小十字型であるもの」との両者があつた。したがつて窪みの有無は問題となり得ず、訂正書はこれを採用するとしても、当初の出願書類につき、いささかも要旨変更となるものではない。

(三)  本件考案は、構造自体出願前既存のものと異つた点を有し、かつ、異なる作用・効果を発揮する。

すなわち、本件出願前に、本願考案と同一又は類似の構造を有するねじは存在せず、かつ、本件出願実用新案の要旨は、いわゆるフイリツプスねじ(それに両種類のもののあつたことは前記のとおり)のねじ頭凹部と普通平溝の一字型ねじ頭凹部とを組み合せた形状を外観上表示するところのねじ頭凹部―「〆の字型ねじ溝」であつて、これに正しく嵌合する「〆の字型尖端のねじ廻し」はもちろん、普通の一字型尖端のねじ廻し及びフイリツプスねじ廻しをも使用できる効果を有し、廻す際に横滑りせず、廻転偶力はフイリツプスねじよりも大にして、また、ねじ廻しを斜めに構えつゝ廻し得(大十字型ねじ溝ではできない。)ねじ廻しの尖端にねじを保止(ねじ廻しの方を差し込んで、ねじをねじ廻しとともに静止させておくこと)、保持(ねじ廻しの尖端にねじ頭をのせておくこと)し得られる(これも大十字型ねじ溝ではできない。)などの効果を有し、ねじ頭凹部の構造としては最上のものである。

(四)  審決が本願拒絶の理由として引用した特許第一一、四六六号平溝大十字型のねじ溝は、形状、構造において本願のものと異なることはもちろんフイリツプスねじ廻しも使えず、またこれに嵌合する大十字型ねじ廻しでは、斜めに構えつゝ廻すこともできなければ、ねじ廻しの尖端に保止・保持することもできない。

(五)  本件出願のねじ溝と前記大十字型ねじ溝の相似よりも、フイリツプスねじ溝と右大十字型ねじ溝との相似の方が構造の上よりするも、作用効果の上よりするも、微差であるにかゝわらず、フイリツプスねじの特許出願に対しては速やかに特許をしており、この点より見ても、原告の本件出願を拒否した審決の不当であることが明らかである。

(六)  引例の特許第一一、四六六号のねじ溝にはフイリツプスねじ廻しが使えず、本願のものには使える。

前者に、これに嵌合する十字型ねじ廻しの使い得ることは当然であるが、それが「フイリツプスねじ廻しの如き十字型ねじ廻し」とは異なること、明瞭である。また、引例のものにも、本願のものにも、普通の一字型ねじ廻しが使えることは、きわめて一般普通の一字型ねじ溝と同じ作用効果であり、現に引例の特許の出願以前にも、普通の一字型ねじ溝があつたにもかゝわらず、右出願は、この事実に妨げられずして、特許になつたのである。

以上の如く本件審決のした認定は真理に反しており、その結果、審決には実用新案法の解釈適用を誤つた違法がある。

四、被告は、本件出願書類の記載によつては、原告の主張するような特殊の形状は特定されないと抗争するが、本件願書の説明書本文には、構造の要素として、「フイリツプスねじのねじ溝」(本件出願当時及び現在の一般的解釈において、「窪みを有する小十字型溝」を意味する。)と明記してあり、かつ図面として上面図が示してあるから、前記形状は明瞭に限定され、実用新案法の要求する形状の記載として十分で、誤解を招くことがない。その横断図面を示してないことも、これによつて何ら不明確の点を生じていない。

第二答弁

被告指定代理人は、主文第一項通りの判決を求め、次のとおり答弁した。

一、原告主張事実中、本件実用新案登録出願から拒絶査定、抗告審判を経て、審決書謄本送達にいたるまでの手続の経過及び原審が本件審決の要旨であると主張する諸点中、(二)の本願のねじと引用例のそれとの作用効果が同一であるとの点と(三)の点のみは認めるが、その余の主張はすべて争う。

二、(一) 原告はまず本件審決の要旨として、「出願前に既存のねじ頭凹部と較べて特別の構造を意味するものではない。」との点を挙げているが、審決では本件出願のねじと既存のねじとの比較を行つているのではなく、本件出願の要旨認定の裏付けとして、本件実用新案の出願は平面図が十字状のねじ溝の構造であつて、この溝の断面は当然普通の凹字状であると認めるより他はなく、原告が出願の説明書中にフイリツプスねじと記載して、他の特別な断面のねじ溝であることを意味しようとしても、図面に断面が表示されておらず、説明書中にも断面についての説明がなされていない限り、結局断面は特殊な形状ではなく、常識で考えられる普通の凹字状であると認めるより他はないということを説明したものである。

(二) 次に、原告は審決が「特許第一一、四六六号の大十字型ねじ頭凹部の形状と同一であり」とした、と主張するが、本件審決では本件出願と引用例とは構造上の微差があるに過ぎないと認めたに過ぎない。

(三) また、原告の用いる「窪みの小十字」なる字句は本件審決では用いられておらず、審決には、「本件出願のものは窪みを有しないものであつて、この窪みを有しない本願のものと引用例のものとを比較して、窪みの有無による相異につき色々と述べた意見書その他の主張は本件出願の要旨に関係がないから採用しない。」と記載されてあるのである。

三、原告が本件審決につき違法であると主張する各点について、

(一)  原告は、「審決に至るまでに拒絶理由通知或いは意見聴取等がなかつた」と主張するが、審決が原査定の前に通知した拒絶理由を妥当として支持する場合には、審決前にあらためて拒絶理由通知或いは意見書の聴取を行う必要のないことは、特許法第一一三条の法意及び第一一一条の二の規定に照して明らかなところであり、本件審決はこの点について何ら判例等に違反するものではない。

(二)  原告は、また、「本件実用新案は中央に小十字型窪みを有するねじ溝である」ということを前提として色々な主張をしているが、前に述べたように本件出願の要旨には小十字型窪みが包含されていないから、原告のこれらの主張はすべて失当である。

四、なお、原告の使用するフイリツプスねじという表現は、フイリツプス社製のねじの総称であつて、これによつてただちに一つの特定のねじの構造が表現されたものと認めることはできない。実用新案の出願には一つの物品の型が記載されなければならないことは明白であつて、本件出願についても、出願当初の説明書及び図面には当然一つの物品の型、すなわち特定の構造が記載されているべきものであり、その構造中特に具体的税明及び図示がなされていない部分の構造は常識をもつて判断するのほかはない。そして、右構造の説明として技術的用語ではないところの漠然たる表現を用いるだけで、その他には図示もなく、また具体的な説明も行わないで、出願のものは特殊構造のものであることを意味表現しようとしても、それは無理であつて、本件の場合もフイリツツプスねじという表現だけで、図示も具体的説明もなければ、たとえ原告は小十文字型の窪みを有するねじの構造を表現したつもりであつても、原告以外の者は原告の希望するように理解しないのが当然である。

五、原告は、更に、本件願書に構造の要旨として「フイリツプスのねじ溝」と明記してあり、かつ図面に上面図が示してある故に、形状は明瞭に限定されている、と主張しているが、「フイリツプスのねじ溝」が構造の要素を表現する用語として適当でなく、したがつて特定の構造を表現したものと認めることができないことは、すでに詳しく述べたとおりであり、右記載によつて、原告主張の形状は明瞭に限定されてはいないのである。

原告は、「フイリツプスねじのねじ溝」の注釈として、本件出願当時及び現在の一般的解釈において、「窪みを有する小十字型溝」を意味すると主張するが、このような一般的解釈が正当である根拠を被告は知らないし、しかも原告の右主張は、さきに原告がフイリツプスねじについて、「窪みのない短い平溝を小十字型に直交させたものと、中央ほど深く、窪みをなしつゝ、小十字型であるものとの両者があつた」と主張することと矛盾する。

また、図面についてみるも、出願当時の図面だけでその構造を判断した結果常識的に得られる結果については、前に詳しく述べたとおりであつて、もし、原告の主張するように、窪みを有する小十字型溝が本願の実用新案中に形成されているのであれば、その上面図(平面図)には長い方の溝を横切る実線がなければならないのであつて、その実線がないところの上面図によつては、小十字型の窪みがあるところのねじ溝と認めることはできず、したがつて出願当時の図面中に特に横断面図がない限りは、原告が主張するような断面を有する溝のものが出願当時のねじ溝であつたと認めることはできない。

六、以上に述べたとおりであつて、本願のねじ溝の中央には小十字型の窪みが存在しないものとして審理した結果の本件審決には、何らの違法も存在しない。

第三証拠〈省略〉

理由

一、原告がその主張のとおり「ネジ溝」なる実用新案の登録出願をし(昭和二十八年実用新案登録第二七、二六八号)、拒絶査定を受け、抗告審判を請求したところ(昭和二十九年抗告審判第八五七号事件)、昭和三十二年六月十七日附で右請求は成り立たない旨の審決がなされ、同月二十七日その審決書謄本が原告に送達されたことについては、当事者間に争がない。

二、成立に争のない甲第五号証(審決書)によれば、右審決の理由は次のとおりであることが認められる。

本願実用新案の要旨は、出願当時の説明書及び図面の記載からみて、「頭部の中心附近に十字型溝を設け、その一方を頭部の周辺まで延長したネジ溝の構造」にあると認められるところ、原査定の拒絶理由に引用された特許第一、四六六号明細書には「頭部の中心において交叉し、その先端部の全部が頭部の周辺にまで達しているネジ溝」が記載されており、両者を比較してみると、「中心部に十字溝があり、その一つが頭部の周辺まで延長されているネジ溝」の点で、両者は全く合致し、たゞ引用例のものでは他の一つも周辺まで延長されている点において相違するが、一字型ドライバー及び十字型ドライバーの双方を使用できる点では本願のものも引用例のものも変りがなく、(審決が両者につき右作用効果を同一にするとの認定をしたことについては当事者間に争がない。)引用例のものはむしろ一字型のドライバーに対して二つの溝を提供して溝の作用を増加しているものであるから、前記のような両者の差違は格別作用効果に変りのない構造上の微差と認めるより外はなく、結局本願は実用新案法第三条第二号の規定によつて同法第一条の登録要件を具備していない。

本件審決は、要するに以上の趣旨に帰するものであり、原告が審決の要旨(二)として主張するように、本願のものと引用例のもとが、形状を同一にするとの趣旨を含むものとは認められず、かつ、原告主張の(一)(四)(五)の各点については、原告が本願のねじ溝にくぼみのあることを前提として種々の主張をするのに対して、本件出願中「フイリツプスネジ」の表現をもつてしては、特別の構造を意味するものと認められず、原告が抗告審判において差し出した訂正書には「小一字型くぼみ」の存在を本願の要旨の一部として包含するかの記載があるが、そのような「くぼみ」については出願当時の説明書及び図面に何ら記載されていなかつたから、前記訂正書は要旨を変更したものであつて、採用することができない旨説示したにほかならないこと、前記甲第五号証の審決書の記載によつて明らかである。

三、そこで、本願実用新案の要旨について考えるのに、成立に争のない甲第一号証(本願当初の説明書)によれば、登録請求の範囲の項に「図面の如き形状のネジ溝にして、所謂フイリツプスネジ廻し及び普通ネジ廻しの何れをも用い得るもの」との記載があり、また実用新案の性質、作用及び効果の要領として、「中心附近に十字型の溝を有するネヂを改良したるものにして、其の十字型の溝の横方向或は縦方向と一致してネジ頭の縁から縁まで長き溝を刻みたるものなり。ネヂを廻転せしむる偶力は中心よりの距離に比例する故、斯かるネヂ溝を有する方が廻し易く、従つて分解組立を屡々必要とする諸機械に用いて便利である。」と記されてあり、図面としては別紙表示の平面図が表わされていることが認められる。そして、これらの記載や図面によれば、原告が本訴において主張するように、その十字溝がくぼみを有するものであるという趣旨は毫もうかがわれないから、本願実用新案の要旨は、前記審決の認定したように、単に「頭部の中心附近に十字型溝を設け、その一方を頭部の周辺まで延長したネジ溝の構造」にあるものと認定せざるを得ない。

原告は、この点において、本願当初の説明書に「フイリツプスネヂ」の表現があるので、前示くぼみの存在は明示されている、と主張し、右説明書中「フイリツプスネヂ廻し……をも用い得る」との記載のあることは前示認定のとおりであるが、フイリツプスねじ又はフイリツプスねじ廻しなる語が、十字形溝の中央が深い窪みになつているねじ及びこのねじ溝に一致するねじ廻しであることは一般に知られず、またこの点については原告はさような事実を認めるに足る証拠を提出しない。また、その図面としても、当初に差し出されたものは、別紙表示のごとく、ねじ溝の上面の形状のみを示すものであり、もし原告主張のごとき構造を示すものとすれば、右平面図には溝の深さの変る位置を線で表わされてなくてはならないはずである。したがつて、フイリツプスねじなる語は、当然に「窪みを有する小十字型溝」を意味し、説明書の前記記載は上面図と相俟つて原告主張の特殊の構造を特定し得る、との原告の主張は採用できない。(なお、原告のフイリツプスねじに関する右主張は、いわゆるフイリツプスねじとしては「窪みのない短い平溝を小十字型に直交させたもの」と「中央ほど深く、窪みを成しつゝ、小十字型であるもの」との両者があつた、との原告の前の主張と矛盾すること、被告の主張するとおりである。)

もつとも、成立に争のない甲第二号証(最終訂正書)によれば、原告はその後提出した訂正書において、本願実用新案の要旨を、「普通一字型ねじ溝に中央に於て小一字型窪みを直交せしめて構成されたるねじ頭凹部の構造」と訂正したことが認められるけれども、右訂正書は要旨の変更として採用されなかつたものであること、前記甲第五号証によつて明らかであるところ、前に認定した出願当初の本件考案の要旨と対比すれば、右訂正はまさに要旨を変更したものであつて、その採用されなかつたことは当然であるというべきである。

三、原告は、本件審決の違法の点として、審決前に拒絶理由通知或いは意見聴取の行われなかつたことを挙げているが、本件審決の前行手続である拒絶査定前に、本件審決と同一理由である、特許第一一、四六六号説明書の存在を理由として、拒絶理由の通知のあつた事実は成立に争のない甲第三号証、(拒絶理由通知書)によつて明らかであるところ、実用新案法第二六条で準用される特許法第一一三条によれば、拒絶の査定に対する抗告審判において拒絶理由の通知をすることを必要とすることは、査定の理由と異なる新たな拒絶の理由を発見した場合に限られているのであるから、査定の拒絶理由をそのまゝ採用した本件審決前に重ねて拒絶理由通知の手続がふまれなかつたことには何らの違法がなく、その他の方法によつて原告の意見聴取を行わなかつたことについても、何らの慣例又は判例に反することを認められない。

四、次に、原査定及び審決が本件出願の拒絶理由として引用した特許第一一、四六六号特許は、明治三十九年十二月二十五日に特許された「十字形溝螺旋鋲」にかゝるものであつて、その明細書には従来の一字形の溝を改良して、これを十字形の溝としたねじ鋲と、これに対する十字形端部を有する専用ねじ廻しとを示し、かつその効果としてこのねじ鋲は従来の一字形溝のねじ鋲の欠点を除き、鋲の中心とねじ廻しの中心とを自然に一致させて、ねじ鋲を真直にねじ込むことができること、及び鋲の溝からねじ廻しが逸脱することが少ないことを記載していることは、成立に争のない乙第一号証(右明細書)に徴して明らかであり、右明細書が本件実用新案登録出願以前に発行頒布されていたことは、原告の明らかに争わないところである。

そこで、前に認定した本件実用新案の考案要旨と右明細書の記載事項とを比較してみるのに、両者はその頭の溝を中心附近で十字形とし、その一方又は双方の溝を頭の縁から縁まで延長したねじ鋲である点では一致しており、前者では他方は延長しないので溝の一方だけを延長したものであるのに対し、後者では他の一方をも延長し、両方共同じようにしたものである点で相違するが、この差異は単に後者が前者の有しない余分の溝の一部を有するだけで、前者の有する作用効果を毫も妨げるものではない。結局後者は前者の有する基本的な構造のすべてを具え、その構造から来る新規な作用効果の全部を有するということができ、したがつて、本件実用新案はその登録出願前国内に頒布された審決引用の特許明細書に容易に実施することを得べき程度に記載されたもので、実用新案法第三条第二号に該当し、同法第一条の登録要件を具備しないものといわなくてはならない。

五、その他原告が本件審決の違法の理由として種々主張するところは、すべて、本件出願実用新案の要旨と認めることのできない「窪み」の存在を前提とするものであるか、或いは本件以外の特許に関する事由であつて、本件審決を取り消すべき理由として、採用することのできないものばかりである。

六、要するに、本件審決の取消を求める原告の請求はその理由がないので、これを棄却すべく、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟特例法第一条、民事訴訟法第八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 内田護文 原増司 入山実)

別紙図面〈省略〉

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